信託内借入と信託外借入
2024/08/15
今回は「信託内借入」と「信託外借入」の特徴について解説していきます。
信託内借入では、受託者が借入権限をもっていることから受託者名義で融資、建築手続き、返済手続きまで一貫して行うことができることがメリットのひとつとして挙げられます。受託者が亡くなり相続によって受益権の移動があっても、その不動産にまつわる財産も負債も受益権を中心に考えればいいので、把握がしやすいです。
一方で信託外借入では、信託財産の中ではなく、委託者本人が借入をしているため、まず親が元気なうちに融資などを行う必要があります。子である受託者名義では融資を受けられなかった場合にはこちらの手法が有効です。親名義の借入になるため、ローンの返済は委託者本人が信託財産からの送金を受ける等して金融機関に返済していくことになります。信託外借入では、信託財産の債務が組み込まれておらず、受益権移動時に受益権の移動と債務の移動が違う動きをする点に注意が必要です。受益権は第二受益者にうつりますが、債務は信託財産に含まれていないため法定相続されます。これにより財産を継ぐ人にローンが帰属しないという事態に陥る場合があります。