二次相続・三次相続対策としての家族信託
2024/06/11
今回は二次相続、三次相続対策としての家族信託について解説していきます。
家族信託は生前の財産管理にとどまらず、本人死亡後の資産継承先を指定することができます。遺言では資産継承先を指定するのは一回きりですが、家族信託では連続した引き継ぎ先を指定することができます。家族信託では、遺言ではカバーしきれない二次相続、三次相続における資産継承先についても「受益者連続型信託」を活用することで定めることができます。
例えば、子供のいない男性Aさんが一次相続では配偶者の妻(Bさん)に遺産(自宅兼賃貸マンション、現金等)を相続することを希望していたとします。そして、妻Bさんが亡くなったあとには残った財産は妻Bさんの親族ではなく、Aさんたちに気を配ってくれていたAさんの姪(Cさん)に相続してほしいと考えていた場合、家族信託は効果を発揮します。
家族信託を使えば、Aさん亡き後には遺産は妻Bさんに、妻Bさん亡き後には姪Cさんに遺産が渡るように、委託者をAさん、受託者をCさん、マンションの賃料と居住する受益者はAさん、そして第二受益者をBさんに設定します。
こうすることで、姪Cさんに残したい財産とAさん及びBさんのその後の財産管理をCさんに任せ、資産承継問題を解決することができます。