法定相続分にまつわる勘違い
2024/12/14
今回は法定相続分にまつわる勘違いについて解説していきます。
法定相続分を相続の印籠のように扱うケースが散見されます。家族ときちんと相続の相談をしていないのに「自分の法定相続分は法律上二分の一だ」と思い込み、まだ相続していないのに資産をもらった気になり早々に大きな買い物をしてしまうのです。
しかし、法定相続分というのはあくまで「目安」です。相続には「遺言による相続」「分割協議による相続」「法定相続」の3パターンがあります。遺言書がある場合には原則遺言に従って相続します。遺言書がなければ、相続人全員で行う分割協議によって相続を決めます。そして、法定相続の割合は遺言や分割協議で決定できなかった場合の相続分の目安です。「法定相続分=自分の取り分」という勘違いは不幸のもとです。期待していたものがもらえないとなると、人はより強く怒りや悲しみを抱きます。
法律で守られる最低限の遺産の取り分は「遺留分」といいます。遺産は亡くなった人の財産なのでその処理方法の決定権はその人にあります。ですが、遺産は周囲の家族と友に築いてきたものなので最低限家族の取り分は保障されるべき。そういう考えが遺留分にはあるのです。