「ペットに全財産を相続させたい!」それってできる?
2026/01/31
「子どもはいないし、私が死んだら大切なペットを守ってあげたい」
「最期は全財産をうちの子(ペット)に残したい」
そんな相談を受けることが、司法書士の業務でも非常に増えています。
しかし、結論からお伝えすると——
ペットに“直接”財産を相続させることはできません
法律上、相続できるのは “人”と“法人” に限られます。
ペットは「物」として扱われるため、
相続人にも、遺贈の受遺者にもなれません。
では、大切なペットは守れないのか?というと、答えはNO。
適切な仕組みを作れば、実質的にペットのために財産を使ってもらうことが可能です。
■ ペットに財産を残す「3つの方法」
① ペットを託す人へ「負担付遺贈」をする(最も一般的)
ペットの世話をしてくれる人(友人、親戚など)に財産を渡し、
その代わりに 「ペットの飼育を負担として課す」 方法です。
例:
「友人Aに300万円を遺贈する。負担として、私の飼い犬コロの生涯の飼育を任せる。」
この形にしておけば、
Aさんは財産を受け取る代わりに、ペットを適切に飼育する義務が生じます。
実務上、最も利用されている方法です。
② ペット信託(民事信託)を活用する方法(より確実)
最近増えているのが 「ペット信託」 です。
飼い主の財産を信託財産として管理し、
信頼できる受託者に「ペットのためだけに使う義務」を負わせる仕組みです。
・飼育費用を計画的に管理できる
・飼育状況を監督する「受益者代理人」を置ける
・飼育放棄のリスクが下がる
など、法的に強固な仕組みを作れるのが特徴です。
③ 保護団体・NPOへ寄附し、飼育を依頼する
ペットの引き取り制度をもつ団体に寄付し、
生涯飼育をお願いするケースもあります。
ただし、団体ごとに受け入れ条件が大きく異なるため、
事前確認が必須 です。
■ やってはいけないNG例
・「ペットに全部相続させる」と遺言に書く(→無効)
・「ペットの世話は誰かがしてくれるはず」と丸投げ
・飼育費用を用意せず、世話を依頼するだけ
・託す相手と事前に意思確認をしていない
特に “書いただけの遺言”は危険 で、
ペットが残されたまま施設へ送られるケースもあります。
■ まとめ:ペットを守るには「法的準備」が必須
ペットへ直接相続させることはできませんが、
・負担付遺贈
・ペット信託
・団体への寄附+飼育依頼
これらを適切に組み合わせれば、
実質的にペットのための財産管理と生涯飼育を実現できます。
大切な家族(ペット)を確実に守るためには、
早めに法的な枠組みを整えておくことが何より大切です。
ペットのための遺言作成・ペット信託の設計についても、
司法書士としてサポート可能ですのでお気軽にご相談ください。